STL出力時の精度設定

STL内部のメッシュの状態

3次元CADで作成したモデルデータを3Dプリンタへ受け渡す場合などの時に、メッシュデータへ変換する必要があります。

メッシュデータをポリゴンデータと呼び場合もありますが、メッシュデータの形式はCADデータの中間ファイル形式同様に種類が多くあります。

代表的な形式はSTLデータ形式になります。

(参照:3Dプリンターでできること / CADデータのインポート(SW))

STLデータ

STLとはStereoLithography(ステレオリソグラフィ)の略語になり、三角を一つの面として考え、小さな三角形の集合体として立体形状を表現する形式です。

このように三角形の集合体で形状を表現したデータをメッシュデータまたはポリゴンデータと呼びます。

STLデータは一般的な3Dプリンタで読み込み可能な形式で多くの場合は広く使われています。
機械部品の場合、単色で扱われることが多いのであまり影響は少ないですが、デメリットとしては色情報を持たせることができません。

ソリッドワークスでの精度設定

指定保存でのオプション設定

作成した部品ファイルを保存する際に、
ファイルの種類をSTLに切り替え、
「オプション」をクリックします。

STLのフォーマット設定

出力フォーマットは、バイナリ形式とアスキー形式を選択できます。
バイナリ形式の方が保存したときの容量が減るので、読み込み先で問題なければバイナリ形式を選択します。

精度の設定は、解像度の部分で設定します。
粗表示・スムーズ表示・ユーザー定義から選択します。

解像度

ソリッドワークスは、偏差の値を自動で部品サイズによって自動で切り替えて三角面の数を自動で設定します。

直径10mm高さ10mmの円柱形状の場合

粗表示

粗表示

粗表示の場合は、偏差が約0.02mm角度が30度の公差設定になります。

三角形の数は、144個になります。
円の形状も直線分割され厳密には多角形の状態になり、
今回のケースでは、144/4=36角形で円を表現します。

スムーズ表示

スムーズ表示

粗表示の場合は、偏差が約0.008mm角度が10度の公差設定になります。
偏差が約2.5倍になり、それに合わせてが三角形の数が大きくなります。

三角形の数は、224個になります。
円の形状も直線分割され厳密には多角形の状態になり、
今回のケースでは、224/4=56角形で円を表現します。

ユーザー定義

粗表示やスムーズ表示の偏差や角度の公差値は、形状のサイズや複雑さによって常に変化します。
また、粗表示とスムーズ表示の倍率も同様に変化します。

一般的な公差の部品では「スムーズ表示」に設定し、それよりも精度が不要な部品は「粗表示」という形で使い分けをし、STLへの保存時はこのオプション設定を必ず確認して偏差や角度の公差値を確認してください。

スムーズ表示の設定値より小さい公差値に設定したい場合や決まった公差値設定で出力したい場合は、「ユーザー定義」に切り替えると数値入力が可能になります。

ユーザー定義

弊社でSTL形式を出力する際には、
偏差の公差値は形状サイズに関わらず0.02mm、
角度の公差値はスムーズ表示より厳密に5度、
での設定にしています。

AMFと3MF

STL形式は色情報を持たせることができません。

色情報を持たせることができる代表的な形式にAMF形式と3MF形式があります。

Additive Manufacturing File Formatの頭文字をとって、AMF形式とよび、STL形式を発展させた形式で色情報を持たせることが可能です。

3D Manufacturing Formatの頭文字をとって、3MF形式とよび、AMF形式より色情報も含めより多くの情報を持たせることが可能になります。
AMFよりも3MF形式の方が普及しています。

それ以外にも色情報を持たせることが可能なファイル形式はありますが、3次元CADからデータを出力する前提であれば、
色情報なしの場合は、STL形式のバイナリ形式
色情報ありの場合は、3MF形式
という形の運用で、色情報がうまく伝わらない場合やファイル形式が対応していない場合などの時に別な形式を検討していきます。

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