ツールパスを作成するときに使用する3Dデータをマスターキャムでモデリングしていくことも可能ですが、多くの設計部門では3次元CADの導入が進んでおり、設計部門でモデリングされた3Dデータをツールパス作成に活用することが多くなってきています。
しかし、ツールパスを作成したい箇所に穴やフィレット・面取りなどがあった場合に無駄なツールパスが出力されたり、逆に出力しないように制限境界などの作業など余計な作業が発生します。
そのために、形状自体を事前に穴などがない状態にしておく必要があります。
マスターキャムでは、穴などを除去するコマンドは「モデル準備」タブにあります。
モデル準備コマンドは、基本的にアンドゥができない形になっているので、作業前には必ず「ソリッドコピー」コマンドでオリジナルデータを確保してください。
また、インポートしたデータによっては形状の認識がうまくいかないケースがあったり、正確性を上げたい場合は、設計部門に依頼をし、CADの方でツールパス作成用データに修正を依頼してください。
データのインポート
インポートしたデータは、
- 円筒面が2分割や4分割されてしまう
- 円筒面が自由曲面として読み込まれる
- 自由曲面や複雑な形状のため延長がうまくいかない
などがどのようなCAD間でも発生します。モデリングしたCADの特徴や使用した中間ファイル形式の特徴・形状の複雑さなどにより発生します。
ソリッドコピー
ソリッドマネージャーでコピーしたいソリッドを右クリックし「ソリッドコピー」コマンドを実行します。
「○○-コピー」という名前になりますが、名前は自由に変更することができます。
名前の変更やレベルの変更などで必ずオリジナルデータは確保するようにしてください。
モデル準備コマンド

モデル準備タブもしくは、ソリッドマネージャーから右クリックでコマンドを使用します。
インポートしたモデルを修正することが前提のコマンドなので、マスターキャムでモデリングした場合は、「履歴を除去」コマンドで履歴がない状態にします。
穴を検索

ざぐり穴やドリル穴を認識して履歴を作成します。

「穴操作」と「単一操作を作成」にチェックを入れます。
「単一操作を作成」は、穴径や深さが同じ場合1つの履歴になります。
フェイスで選択する場合は手間がかかるので、ボディでソリッド全体を選択します。
認識させたい穴の最小半径と最大半径を設定します。
穴位置に点が作図されるので、作図された点のレベルを選択します。
OKをクリックすると認識した穴が履歴として作成されます。
ツールパス作成時には、不要な穴の履歴を右クリックから「抑制」します。
フィレット除去

フィレット除去コマンドを実行後、画面内から個別にフィレット面を選択します。
面取りや穴に関しては除去できません。
履歴は残りません。アンドゥできませんので注意してください。
間違えた場合は、オリジナルデータのソリッドコピーからやり直します。
フィレット以外を除去する場合は、フィーチャ修正コマンドを使用します。
フィーチャ修正

フィレットや穴などを除去するときに使用します。

「除去」にチェックを入れ、穴などの面を選択し、OKをすると選択した部分を埋めてくれます。
「ボディ作成」は、埋める部分を別ボディにします。
「除去とボディ作成」は、「除去」の埋める作業とボディ作成の両方が実行されます。
履歴は残りません。アンドゥできませんので注意してください。
間違えた場合は、オリジナルデータのソリッドコピーからやり直します。






