世界中で広く採用している単位系を国際単位もしくはSI単位と呼びます。
フランス語で「 Système International d’unités」の頭文字をとってSIとなります。英語の場合は、「 International System of Units」となります。
基本単位と組立単位と接頭語などの組み合わせで単位を構成します。
日本産業規格JISでは、JIS Z 8000-1で制定されており、2025年に改訂されました。
SI単位
長さのメートル(m)・質量のキログラム(kg)・時間の秒(s)を使ってSI単位をMKS単位と呼ぶ場合もあります。
基本単位と組立単位と接頭語の組み合わせで単位を構成します。
SI基本単位

SI単位は7個の基本単位をもとに組立単位が出来上がります。
物理などで用いられる公式の単位もこの基本単位が基準になっています。
質量の基本単位に接頭語k(キロ)=103が含まれていますが、長年の歴史により質量の基本単位はkg(キログラム)になります。
SI組立単位
長さ×長さは「m×m=m2」となりJISでは平方メートルと呼び、面積になります。
長さを時間で割ると「m÷s=m/s」となりJISではメートル毎秒と呼び、速度になります。
単位を掛けたり割ったりして出来上がる単位を組立単位とよびます。
÷もしくは/の部分をJISでは、「毎」とよび、m/s2は、メートル毎秒毎秒と呼びます。
2乗は平方・3乗は立法、それ以上はそのまま〇〇乗と呼びます。
固有の名称をもつSI組立単位
基本単位だけで組立単位を表すと複雑になるので、よく用いられる22の組立単位には、固有の名称がつけられています。

例えば、温度の基本単位はケルビン(K)ですが、一般的には(摂氏)℃を用います。
0℃=273.15Kと0の基準が異なりますが、変化量は同じになります。
SI接頭語
大きい桁の単位や小さい桁の単位を表すときに10の〇〇乗という形にした時に固有の名称がついています。これを接頭語と呼び、接頭語+単位で表します。
2022年にSI単位として改訂され、2025年にJIS Z 8000-1が改訂され24個の接頭語があります。
プラスの乗数が倍量・マイナスの乗数が分量になります。
大文字・小文字で同じアルファベットを採用している場合もあるので注意が必要です。

例えば、30cm(センチメートル)は、c(センチ)が10-2=0.01となり、30×0.01=0.3m(メートル)と同じ値になります。
担当部門により重要度に違いはありますが、3乗刻みで
109=G(ギガ)・106=M(メガ)・103=k(キロ)
10-3=m(ミリ)・10-6=μ(マイクロ)
などが製造業でよく使われる接頭語になります。
SI併用単位
SI単位に属してませんが、日常的によく使われる単位をSI併用単位という形でSI単位と併用して使える単位をSI併用単位と呼びます。

時間では分(min)や時(h)、角度では度(°)・分(′)・秒(″)などが該当します。
製造業でよく使う単位
CAD
長さの基本単位はm(メートル)ですが、JIS B 0001で定められているように図面の基本単位はmm(ミリメートル)を使います。
単位は省略することになっており、呼称する際も数字のみで呼称するので、単位がない場合はすべてmmとなります。
角度は度を基準に図面を描きます。度分秒を使うこともできますが、近年は小数点表記の°(度)を使うことが多いです。
CADの基本単位の設定は、メトリック系かインチ系を選べるようになっています。
メトリック系をmmgs単位・インチ系をIPS単位と呼ぶ場合もあります。
mmgs=長さmmミリメートル・質量g(グラム)・時間s(秒)
IPS=長さinch(インチ)・質量lb(ポンド)・時間s(秒)
CAE
応力や圧力の基本組立単位はPa(パスカル)を用いますが、分解するとPa=N/m2となり面積の基準単位はm(メートル)です。
しかし、製図の基本単位はmm(ミリメートル)を使いますが、いちいち単位換算を行っていると手間がかかるため、MPa(メガパスカル)=N/mm2とmm基準の面積を使う単位になります。106=M(メガ)も含めて使用します。
また、縦弾性係数などの単位はGPa(ギガパスカル)となります。109=G(ギガ)ですが、応力の基本単位をMPaとしているので、GPa=103MPaと単位換算します。
(応力解析における単位)
CAEソフトを使う分には単位換算は必要ありませんが、計算機などで公式に代入する場合は、SI基本単位がベースになっているので、単位換算が必要になります。
特に長さはm(メートル)・角度はrad(ラジアン)が公式の基本単位になります。応力以外の計算は注意してください。
CAM
加工機械などの基本単位はmmとmin(分)を一般的に用います。
主軸の回転速度(S値)は、1分間当たりの回転数を定められており、単位はmin-1となります。
min-1=/minとなりますが、単位に回は省略されていますが、この場合、回毎分が呼び方になります。
回/minを英語で表すとrevolutions per minuteとあらわし、頭文字をとってRPMとする場合もあります。
送り速度(F値)も1分間当たりの送り量なので、単位はmm/minになります。




