3次元CADのコマンドにはルールドサーフェスのようなコマンドがあります。
ルールド(ruled)とは、直訳すると「格子」などと訳すことができますが、2つの輪郭線を直線上に結んだ面というように定義されています。
ルールド
基本的な考え方

ルールドの基本は図のように、緑色の輪郭線をつないだ面になります。
Mastercamでのルールド
弊社で使っているソフトのSOLIDWORKSとMastercamでは、ルールドサーフェスの考え方が異なります。
Mastercamでは、ロフトのオプション的な使い方でルールドを使います。
ロフトは、輪郭線のつなぎ方が曲線状につなぐのに対して、ルールドは、輪郭線のつなぎ方が直線状につながります。


SOLIDWORKSでルールド状にモデリングする場合は、2つの輪郭線でロフトを使うと直線状になるので、ロフトを2回に分けて使うことで作成が可能です。
SOLIDWORKSでのルールド
一方、SOLIDWORKSでの「ルールドサーフェス」コマンドは、金型設計などで使われるパーティングサーフェスを作ったり、抜き勾配の面を延長させたりする場合に使うコマンドになります。
曲面に接する面
2次元のスケッチで、円弧に接する直線やスプラインに接する直線などを書く場合がありますが、それを3次元的に適用させる場合に使います。
球形状に抜き勾配方向20度の位置に接する面を作成します。
抜き勾配分析
評価のタブから抜き勾配分析のアイコンをクリックします。

平面を基準に20度にすると20度以上の部分が緑色、20度以下の部分が黄色で表示されます。
OKアイコンをクリックするとこの色表示が維持された状態になります。
分割ライン
黄色と緑の境目に分割ラインを作成します。
フィーチャーのタブからカーブの中にある分割ラインのアイコンをクリックします。

分割タイプは「シルエット」、開く方向は「平面」、分割面は「球面」、角度は「20度」を選びOKをクリックします。


ルールドサーフェス-サーフェスに沿う
サーフェスのタブからルールドサーフェスのアイコンをクリックします。

タイプは「サーフェスに沿う」、距離は「任意の長さ」、エッジ選択は「分割ラインで作成したエッジ」を選択します。延長する方向は「代替え面」で切り替えます。
OKをクリックすることで分割ラインエッジに接する面を作成できます。
パーティングラインが複雑な時

図のようなラインを使い分割ラインを作成します。

スケッチをもとに分割ラインを作成する場合は、分割タイプのを投影に設定ます。

長さが長い場合は、エラーになるので適切な長さに設定します。
基準面に平行な面
金型など基準面を基準に平行な面をパーティング面などと表現する場合があります。

タイプは「頂点に垂直」、距離は「任意の長さ」、参照ベクトルは「平面」、エッジ選択は「分割ラインで作成したエッジ」を選択します。

補足
SOLIDWORKSのルールドサーフェスコマンドは、出来上がり形状的には、基準の輪郭線と延長後の輪郭線を直線上に結ぶという点で、ルールドという方にの面になっています。
金型設計用にモールドコマンドが別に準備されており、もう少し任意に調整が可能になっています。