マスターキャムでのワーク座標系(WCS)の設定

mastercam2026の平面マネージャー

マシニングセンターでワーク(被削物)をセットする場合のセットする方向原点を総称してワーク座標系と呼びます。
ワーク座標系は、英語でWorkpiece Coordinate Systemと表記し、頭文字をとってWCSと簡略表記することもあります。

マスターキャムでは、マシニングセンタでセットする方向と原点に合わせて、マスターキャムの原点位置に移動コマンドや回転コマンドを使って配置することで通常はワーク座標系を特に意識せずにNCプログラムの作成を進めることができます。

しかし、1つのファイル内で表と裏や側面方向など複数方向のNCプログラムを作成する場合には、加工する方向ごとにワーク座標系を設定していきます。

Mastercamのバージョン2026より平面マネージャーのデザインが変更されたため、変更点なども踏まえ解説していきます。

平面マネージャーの基本

マスターキャムで平面を扱うときに類似の用語がいくつかあります。

ワーク座標系( WCS ) = ワークの向きと原点位置
Gビュー( Graphic Views ) = 画面に表示する向き
作図平面( Construction planes ) = 作図するときのXYに該当する平面
工具平面( Tool planes ) = ツールパス作成時のXYに該当する平面

作図をするときは作図平面が重要になり、ツールパス作成するときには工具平面が重要になります。

平面マネージャーの追従ルール
キューブボックス

「作図平面はGビューに追従」にチェックを入っていると右クリックからのGビュー切り替えや画面左下のキューブボックスからのGビュー切り替えで作図平面が自動で切り替わるので、見た目(Gビュー)の切り替えだけで作図作業を進めていきます。

「作図平面はGビューに追従」と「工具平面は作図平面に追従」の両方にチェックが入っている場合、Gビューの切り替えで作図平面と工具平面が追従します。
「Gビューアイソメで作図平面トップ」にチェックを入れるとアイソメに切り替えたときに作図平面と工具平面がトップに自動で設定されます。

作図平面と工具平面を追従するように設定している場合、
フロント方向などトップ以外の方向で作図作業をし、直後にツールパス作成作業をするとツールパスの工具平面がその方向に設定になります。

基本的には、作図平面と工具平面は同じ状態で作業するので、
保存する前やツールパス作成前など作業の切り替え時にGビューをアイソメに切り替える癖をつけておくことでツールパス作成時は、トップが工具平面になります。

あらかじめ準備されているシステム平面の向きなどは、マスターキャムのデフォルト平面を参照してください。

新規平面を作成する

「新規編面を作成する」アイコンをクリックし、いくつかの平面作成オプションから選択します。

図形や平らな面から平面作成

「新規平面を作成する」ドロップダウンメニュー
  • 「図形から」は、2本の直線要素・1個の円要素・3個の点要素・平らなサーフェス要素から平面を作成します
  • 「ソリッドフェイスから」は、ソリッドの平らな面から平面を作成します
  • 「法線要素から」は。1本の直線要素をZ軸にした平面か、1個の円をもとにした平面を作成します

図形からで2本の直線要素を選んだ場合は、最初に選択した直線のどちらかの端点が原点に設定され、その直線がX軸かY軸に設定されます。
法線要素からで1本の直線を選んだ場合は、直線のいずれかの端点が原点に設定され、選択した直線がZ軸に設定されます。

平らなサーフェスや平らなソリッドフェイスを選んだ場合は、法線方向がZ軸に設定され、原点は面の中心が選ばれます。

平面選択

形状を選択するとZ軸の上下方向とX軸が90度ずつ回転の8方向の候補から向きを選択します。

基本設定

作成した平面をわかりやすいように名前を変更します。

原点位置を変更するときは、X・Y・Zの値を入力するか、「再選択」をクリックして画面から端点や中点円の中心点などを選択します。

確定後にも名前と原点位置はいつでも変更可能です。

また、軸方向を変更した場合は、作成した平面を右クリックして「編集」を選ぶことで変更が可能になります。
編集作業は、次に説明する「ダイナミック」での作業方法を使います。

ダイナミック

新規平面作成のダイナミック

「ダイナミック」を選択するとマウスカーソルが座標軸に切り替わります。原点位置は後から設定する前提で、Z軸を法線にしたい平らな面を選択します。
ソリッドフェイスの場合は、自動で外側を認識します。

球部分・矢印の矢・矢印の軸・円弧部分などをクリックしてから目的の場所をクリックすることで移動・回転をすることができます。

軸の交点をクリックし原点設定

軸の交点の球部分をクリックし、設定したい原点をクリックします。

軸の矢の部分をクリックして軸を設定

軸の矢の部分をクリックすると、クリックした軸方向を設定できます。エッジや直線などをクリックします。

円弧の部分をクリックして軸を回転

円弧の部分をクリックすると、その方向に座標軸を回転できます。
回転角度がわかっている場合は、キーボードから90や180や-90と入力しEnterキーを入力し確定させます。

XY平面を変更

X軸とY軸に囲まれた円弧状の面をクリックすることで、面の方向を変更することができます。ソリッドの平らな面などをクリックします。

上記のパターンで座標軸を移動・回転させ、原点と軸方向を決定します。
また、どのように作成した平面でも同様ですが、編集作業は同じ作業になります。

また、作図コマンドやツールパスコマンド内で平面を調整する必要がある場合がありますが、その際も基本はクリック→クリックで設定変更が可能です。
また、クリック後に数値入力も可能です。数値入力のの際には、コマンドごとに絶対値の場合や相対値の場合があるので注意してください。

既存の平面は、グループ化されているので、新規に作成した平面だけを表示することができます。

リストから作成した平面のWCSを有効化することによって座標系を変更します。WCSの文字をクリックすると青色になります。

クイック作図平面

クイック作図平面はソリッドモデルの平らな面を作図平面とする機能になります。

クイック作図平面をクリック後にソリッドフェイスを選択するとその面が作図平面に自動で切り替わります。
新たにクイック作図平面を使用して平面を切り替えた場合、作図平面が切り替わるだけで平面マネージャーのリストには1個のクイック作図平面が存在しているだけなので、使用したい都度切り替え可能な少し特殊な平面になります。

原点位置は面の中心が自動で選ばれるので、必要に応じ変更が必要になります。
クイック作図平面で作成した平面は、基本的にWCSや工具平面には設定できません。
おくまでソリッドをモデリングする時用の一時的な平面という認識になります。

相対を作成

デフォルト平面をWCSに設定している場合には、フロント方向や右側面方向に作図を行いたい場合は、Gビューの切り替えで作図平面が自動で切り替わるが、
新規に作成した平面をWCSに設定した場合、Gビュー切り替えで作図平面が追従しない場合があります。

WCSを切り替え後にGビューと作図平面を追従させる場合は、WCSを設定した平面を右クリックして「相対を作成」コマンドで関連平面を作成します。

使用したいへ平面にチェックを入れます。
あまり多くの平面を増やしてもよくないので、フロントと右のの2つあればいいのかもしれません。

あとから原点を変更する場合もあるので、「リンク」にもチェックを入れておきます。

断面表示用の平面

ビューのタブの断面表示アイコンをクリックします。
平面マネージャーから断面表示させたい平面の断面表示アイコンをクリックします。平面マネージャーから断面の表示のON・OFFを切り替えします。

断面をとる深さを変更させる場合は、深さ変更用の平面を準備します。
複製したい平面を右クリックして、「コピーを作成」を選択します。複製した平面の名前と原点位置を変更します。

名前と原点を変更

円の中心点などを選ぶ場合は、「原点を選択原点を選択」アイコンで選択していきます。

断面用は、原点位置を変更する前提なので、WCSに関連する平面とは別の平面をコピーして使用します。

出力したNCデータのワーク座標系

マシニングセンタのワーク座標系は、基本的にG54~G59の5種類設定することができます。機種によってはG54.1のコードを使用することによってさらに多くの座標系設定することができます。

平面のプロパティ画面で「ワークオフセット」はデフォルトで「自動」に設定されます。
この場合、NCデータには、G54が出力されます。
3軸用のポストを使って、多面加工のNCデータを出力すると位置決め方向別に加工順に1方向目=G54、2方向目=G55、3方向目=G56というような形でワーク座標系を切り替えます。

平面のプロパティ画面で「ワークオフセット」を「手動」に設定した場合、自動=-1、G54=0、G55=1、G56=2・・・G59=5という形で数値により出力するワーク座標系を設定できます。
G54.1P1の時は、6番を設定します。(6番以降は、Pの値が増加します。)
NCデータを個別に出力する場合は、手動で設定する必要があります。

これらの設定は、ポストの設定状況により異なりますので、ワーク座標系の出力方法を自社用にカスタマイズしている場合は、その方法に従います。

補足

設計は別なCADで行い、マスターキャムはNCプログラム作成のみを行う場合などは、設計変更やサイズ違いなどで読みこみなおしが発生する場合は、移動や回転を使わず、読み込んだ状態そのままでWCSを活用し原点変更をさせた方が効率が上がっていきます。

PAGE TOP